こんにちは!当サイトで欧州サッカーに関する記事を執筆している小野寺です。
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ついに最終節でプレミアリーグ優勝クラブが決定となりましたね。
マンチェスター・シティが見事優勝し4連覇達成となったわけですが、プレミアリーグの中には前評判とは裏腹に思うような結果が残せなかったクラブも存在します。
日本代表MF三笘薫(26)が所属するブライトンはまさにそんな「失意のシーズンを送ったクラブ」であるといえるでしょう。
シーズン前にマクアリスターとカイセドを失ったものの、多くの優秀な選手を獲得しCL出場権である4位以内を目指したにもかかわらず、なぜブライトンは低迷してしまったのでしょうか?
今回はそんな「ブライトンはなぜ今シーズン失敗したのか」という疑問について解説していきたいと思います。
プレミアリーグ 今季のブライトンの戦い総評
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ブライトンは2010-2011シーズンまで3部リーグに所属していたスモールクラブでしたが、2009年からオーナーに就任したトニー・ブルームが会長になったことで着実に力をつけていきます。
推定13億ポンドともいわれる資産を持つブルーム会長は、金銭的なメリットを活かしつつも優れたマネージメントでブライトンに確かな力のあるクラブへと育てていきました。
2016—2017シーズンに2部で2位になったことでクラブ初となるプレミアリーグに昇格しますが、その後現在に至るまで1度も2部降格したことがありません。
そればかりか世界屈指の強豪クラブがひしめくリーグで徐々に結果を残していき、昨シーズン(2022-2023)は6位でフィニッシュしEL出場権を獲得したのです。
チームの中心であるマクアリスターとカイセドを失ったもの、莫大な金額の移籍金を元に勇主な選手を数多く獲得します。
・ジェイムズ・ミルナー
・カルロス・バレバ
・ジョアン・ペドロ
・サイモン・アディングラ(レンタルバック)
・アンス・ファティ(レンタル)
・イゴール
・マフムド・ダフード
この6人の新戦力はブライトンのチーム力を大幅に押し上げるレベルの選手たちであり、ELと並行してプレミアリーグで4位以内を目指せる状態となったのです。
しかし、現実的には最終節前の段階で10位と目指していた順位とは大きくかけ離れた結果となってしまったのです。
ブライトンの大きな2つの誤算
ブライトンが思うような結果を出せなかった理由としては、2つの理由が考えられます。
①ボランチで昨シーズンレベルのクオリティが保てなかった
シーズン前から「マクアリスターとカイセドがいなくなるのはきつい」といった意見は多かったですが、ブライトンはその他のポジションで優秀な選手を多く獲得しましたし、ボランチに関してもギルモア、グロス、ダフード、ミルナーと期待の若手ボランチのバレバを含む5人の選手で十分に昨シーズンと同レベルのクオリティを保てると踏んでいました。
しかし、結論から先に言えば、ボランチのクオリティは明らかに昨季を大幅に下回り、それゆえに徹底的なポゼッションサッカーが中途半端となってしまったといえます。
シーズン序盤はそれでも前線の選手たちのクオリティとコンディションの良さを活かしたハイプレッシングで勝ち点を積み上げましたが、コンディション不良者や怪我人が増えてくると一気に勝てなくなってしまったのです。
ダフードに関してはデ・ゼルビ監督から大きな期待を寄せられていましたが、12節のシェフィールド・ユナイテッド戦で重要な場面で相手選手の足を踏みつけレッドカードとなるなど、期待を大きく裏切ることになり、結局
シュツットガルトへレンタル移籍させられてしまいました。
圧倒的に支配する究極のポゼッションサッカーを目指すならば、やはりマクアリスターやカイセドと同格もしくはそれ以上のボランチを1~2人は獲得しておくべきだったといえるでしょう。
②怪我人が多くチーム力をキープできなかった
デ・ゼルビ監督のイメージでは、ボランチの陣容に関しては前述した通りですが、それ以外のポジションでは「左WG三笘薫、右WGソリー・マーチ」を軸として、CFはファーガソンとウェルベック、トップ下をファティやエンシソで回し、アディングラは両WG、ジョアン・ペドロはCFやトップ下、左WGでローテションさせるような考えだったはずです。
しかし、結局柱となる三笘薫とソリー・マーチは怪我によってシーズン終了までプレー出来ませんでしたし、エンシソもシーズン序盤に大怪我、ファティやミルナー、エストゥピニャン、ランプティなど挙げればキリがないほど多くの選手たちがシーズン途中で一度は大きめの怪我をしました。
三笘とマーチ不在という飛車角落ちの状態で、さらにボランチが機能不全となったことで、4位以内を目指すことが不可能となったのです。(シーズン序盤に三笘とマーチを酷使しすぎたことも大きな原因であるといえます)
もしも三笘とマーチなどがシーズンを通してプレー可能であれば、ボランチの機能不全という問題のみで済み、4位以内は無理でもEL出場権は獲得できたかもしれません。
デ・ゼルビ監督は今季限りの退任が決まっています。
三笘薫に関してもメガクラブへの移籍が噂されているため、ブライトンとしては大幅にチームを再編する必要があるといえるでしょう。